メディア委員会(2015年12月4日)議事要旨

開催日時

2015年12月4日(金)14時00分~15時43分

開催場所

虎ノ門ヒルズ森タワー9階 会議室A(TOKYO)

議題

アクション&レガシープランの中間報告について(事務局から資料に基づき説明)

意見交換

委員

ロンドン大会の取組みや日本でスポーツをする人が減少しているという総務省の統計を見ても、一番気軽にオリンピックと自分をつなげられるのが、体を動かすこと。個人や家族で、何か活動の輪が広がるというときに、スポーツは非常に取り組みやすい。
個人に呼びかけてまず始めてもらう、少しずつ変化を促していく。その流れをオールジャパンの基礎とするというような視点が、あまり表面に出ていないと感じる。
結局、一番自分にとって身近なゴールを持って、自分が変わるということが社会や地域が変わることに繋がる。例えばオリンピック・パラリンピックに絡めたスタンプラリー等参加し易い企画を立ち上げることが、個人、社会をつなげていくような素地になり得るのではないか。
復興については、被災地で御活動の皆様の話を伺った際、一番印象的だったのが、被災地の方々の心の復興というのは、今度は自分たちが人や社会にどう役に立つか、どういう貢献をできるかという部分で、社会から必要とされているということ、自分の存在や生きがいであるとかが感じられるとおっしゃったこと。
被災地の方々が取り組みを開始している地域の活動の芽。これをつなげて、オリンピック・パラリンピックで何らかの形で吸い上げ、未来につなげるような、そんなアクションをプランに盛り込んでほしい。

委員

五本目の柱の大枠をつくったときには、まだISの問題というのはそれほど出ていなかったころだと思う。今、世界情勢がかなり不安定になっている中で、色々なもののベクトルが変わりつつある。そのあたりのことを事務局としてはどのように考えているか。

事務局

ISの関係は、先般のパリへのテロは衝撃的だった。大会運営にあたってセキュリティは大きな課題と認識している。
その上で、平和を標榜するオリンピック・パラリンピックの一つのアクションとして、より平和な時代を迎えるための活動というのは、地道にやっていく必要があると思っている。組織委員会として森会長からフランス宛に弔意のレターを出し、同時期にメキシコシティで開催されていたIPCの総会にて武藤総長から哀悼の意を述べるなどした。
平和に向けた活動は政府と協力して考えていかなくてはいけない。

委員

大会開催までにあらゆる取組を行っていくうえで、その発信方法に関しても今から検討しておく必要がある。特に目に触れる機会の多いホームページの整備は重要。
現在のホームページは企業のIRのような格好になっており、各種活動にどのようにすれば参加できるのか等が見えづらい。
各種企画に参加を希望する人などが利用するページと、組織委員会のPRというものの、二本立てで構成を考える必要がある。このように構成を変えることで、各種企画の立案の考え方も変わると思う。

事務局

ホームページの中身を充実させることについては現在検討中。春頃にエンブレムが決まるタイミングで大幅にイメージを変え、夏のリオに向かっていきたい。

アクション&レガシープランの全体のコンセプト

委員

オリンピック・パラリンピックのみならず、日本がどこに行くのかということがビジョンとしてとれるのではないか。ロンドン五輪のときに、「私たちはどこに向かい、どのように自分たちや社会を変えたいのか、そこにオリンピック・パラリンピックをどのように触媒として組み込みたいのかということを示し、その流れがビジョンになる」とセバスチャン・コーがインタビューで言っていた。
我々が一番感じる、日本の問題というのは、高齢化、少子化等を背景とした未来への不安だと思う。アクション&レガシー全体のコンセプトが経済活性化だけだと、これまで日本が歩んできた考え方から抜けていないような気がする。もう一つ何か軸があってもいい。日本の価値観で世界に貢献していくというような考えが、もう一つの軸になり得るのではないかと。
日本はどの様に自分たちを変えていきたいのか、そしてスポーツ、オリンピックの理念や価値観をそれにどういうふうに組み込んでいけるのかということを、ぜひ組織委員会、政府等でよく考えてほしい。そうでなければ、オリンピックを使って日本のショーウインドーにすることを目的にしているように映る。
オリンピック・パラリンピックに世界が注目し、そこに情報が流れていく、これは人に例えたら、自分の名前それから肩書だけではない、人柄を知ってもらう良い機会と言える。日本の良いところも悪いところも含め世界に向けて発信し、その足りないところをどう補って未来に進もうとしているのかということまで踏み込むことで、初めて世界の共感も得られ、世界と手を取り合って何かをしようという機運も出てくるのではないか。

委員

2022年の冬季オリンピックでオスロが立候補を取り下げました。今度、また、24年でハンブルグが立候補を取り下げている。IOCが懸念しているオリンピック離れというものが、顕在化しはじめている状況下で、東京はある種の答えを求められる。
ハンブルグが問題にしたのは、財政、ドーピングとかFIFAの汚職事件とかといったいわゆるスポーツ界への不信とテロリストの問題。それらに関して、東京が何らかの意見発信をしていかなければ、その次のオリンピックというものにつながっていかない。
場合によっては、1984年のロサンゼルス以前の、オリンピックが消滅するかもしれないという事態が発生せざるを得ない状況になりつつあるのではないか。
国内的には、やはりパラリンピックの問題をここで同一都市として2度目のパラリンピックと定義されているので、共生社会の実現について日本がモデルケースをつくらなければいけないだろう。

委員

レガシーの中で世界平和に貢献するという日本から平和に、世界に遡及し、世界平和に貢献するというところが強調されているが、2020年だと戦後75年になって、オリンピックが開かれるのは夏のシーズンなので、日本だとどうしても原爆だとか、戦争を思い出すような季節になる。原爆、被ばくしたこととか、中国、韓国含む近隣諸国との協調みたいなものが、2020大会を機に促進されるような、理解されるような格好で発信されることが望ましい。

委員

オリンピック・パラリンピックは、殆どの種目にとって最高の大会。それに向けて、世界中で予選が行われ、そこの大会に向かっていく。オリンピック・パラリンピックに向けて連綿と続くストーリーがあり、一つ一つの競技にとって、スポーツとしての盛り上がりのピークとして4年に一度オリンピック・パラリンピックが開催されているという観点、これはまさに原点である。
 大会の文化的意義や様々なオールジャパンのことも重要ではあるが、世界最大のスポーツ大会であるところのオリンピック・パラリンピックというところを、やはり忘れてはいけない。

委員

アクションの例の中に、オリンピック・パラリンピックブランドの非営利目的の活用など、そのマークを開発というところがあるが、もう少し具体的に説明いただきたい。

事務局

エンブレム委員会で検討しているエンブレムは、マークの使用について非常に制限があり、使用できるのは組織委員会、開催都市、あるいはスポンサーの方々となっている。
オリンピック・パラリンピックに関連したイベントを開催する際に使用できる、第2エンブレムをつくり文化事業等のシンボルマークとし、イベントを盛り上げていく予定。
但し、IOCと今相談をしても、まずは本エンブレムの検討を優先するよう指示があり、春にエンブレムが決まれば、その後調整を開始予定。
あと、その前の示唆は、非常に我々もこの作業をするときに悩んでいるところ。より広くより多くのイベントないしは企画を巻き込もうとすると、根本のスポーツの大会というところが見えにくくなってしまう。あるいは、全く関係のない単なるPRに終わってしまうのではないかというところは注意をしている。
アクション&レガシープランを考えるときに、当然コアとなるのはスポーツ。五つの柱の検討に際しても、例えば「まちづくり・持続可能性」のところは、スポーツの競技場周辺のまちづくりをどの様に考えるのか、パラリンピックとの関連をどう結びつけるのか。また、「経済・テクノロジー」のところもスポーツ&テクノロジー、共通しているのはオリンピック・パラリンピックをきっかけに、広がりがあるものに限定していこうというところ。オリンピック・パラリンピックが盛り上がり、それをきっかけとして、いろいろなところの変革に繋がるというところをぜひ示していきたい。

委員

このオリンピックはこうだったというのが、世界の人に印象づけられるようなものが一つあるということが、とても重要という気がしている。過去の大会で一番印象的だったのは、リレハンメルオリンピックの環境問題への取組。環境についてみんな今考えるときだというような形で、世界に訴えかけていた。
少し混沌とし始めている今の時代、世界の人たちにこれだけは訴えようという意味で言うと、平和というものを改めて訴えかけるということは非常に重要ではないかと思う。
それで、アクション&レガシープランというのは、その世界情勢によって徐々に見直していくことというのは、必要なのだろうと思う。これがこの東京オリンピックが訴えたいものだというのを、もっと強く打ち出すことが望ましい。

委員長

オリンピック離れという問題に対して、いろんな意味でこの東京2020大会が回答を出す必要があるという指摘は、非常に大事なポイントだと思う。また、混沌とする国際情勢など、色々な問題があるなかで、2020年東京オリンピック・パラリンピックはこうだったと振り返れるものにすべきだし、2020年はオリンピック・パラリンピックの価値を再び世界に広めていく大事なターニングポイントになるかもしれない。事務局に意見を入れ、どんどん変えていっていただければと思う。

中間報告以降

委員

アクション&レガシープランを広報するのは、我々メディアの仕事。我々の仕事は、支えるという中にも入るが、伝えるという大きな柱を立ててもいいのではないかと思うので、ぜひ取材の実務担当者をまぜた意見交換会などを開催し、メディア委員会を拡大した形でやってほしい。
大会までのさまざまな広報活動にかかわる取材もそうだが、実際、大会が始まった後にどこで取材ができるのか、どこが取材のポジションになるのかなどというようないろいろな要望やアイデアなども話し合いを始めたい。

事務局

取材体制については、別途広報局の中にプレスのオペレーションチームというところが立ち上がりまして、そちらのほうで改めて詳細の計画をつくっていくということになる。

委員

PRのところで、アクション&レガシーの中のアクションのところで、発信というのは多く出ていたが、交流するというのがあまり出てきてはいなかった。
具体的な交流の方法としては、例えば、地方の子どもたちと選手とか、あるいは世界のメディアと地方の子どもたちとかといったような交流の場をつくって、そこがPRの場になっていくとすれば、一挙両得になるのではないか。
リレハンメルの大会のときに、長野の子どもたちの描いたポスターが、リレハンメルの選手村などに飾られていた。そういう交流が、長野をアピールする非常に良いものだったと記憶している。
そういったもので、リオ大会の段階から何か日本の子どもたちとリオデジャネイロとを結ぶようなPRのやり方みたいなものがあってもいい。子どもたちの思いをリオデジャネイロに伝えるという形があっても良いかなという気がしている。

委員

リレハンメルの他、アボリジニの問題を前面に出して、オリンピックのテーマに掲げたシドニー大会も非常に印象に残っている。一つ何かを言うというときに、例えば、日本の和というものと世界平和、被災地における復興と希望、または、日本が直面して様々な問題に対する試みとか、そういったものが一つのメッセージになると感じる。
あと、広報というのは、PRはもちろん要素としてあるが、単なるPRではなくコミュニケーションだと思う。コミュニケーションというのは、相手がいて、相手との理解を促進すること。お互いに手をとりあっていくためのきっかけにするもの、心を通わせるものなのだろうと思う。
自分たちの良いところをアピールするだけでは相手からの共感は得られない。自分たちの問題意識や、世界をこれからこう変えたい、自分たちをこう変えたいという反省にも立った人間味のある発信力、そして世界の皆さんと手をとりあって、互いの良さも生かしながらやっていきたいという、自省も込めた発信が必要。
オリンピック・パラリンピックは、当然スポーツの祭典ではあるが、オリンピック・パラリンピックでこれを発信するのか、スポーツの価値観に通じる部分を見出すことで、世界からの共感が得られると思う。

委員

日本独自のものとしては、メディアでいえばジャパンコンソーシアムという放送の連合で契約をしているスタイルが挙げられる。このジャパンコンソーシアムを活用したPR、コミュニケーションを考えていく必要があるが、メディア側も、受身では無く能動的に動いていく必要がある。
これほどきめ細かい情報を発信している状況は、世界には無く、良い協働の方法を模索していきたい。

委員長

全国民が参加できるのにはどうしたらいいかというテーマについては、いろいろ意見がある。エンブレムの決定、リオデジャネイロ大会等、PRのタイミングを逃さないよう事務局には運営してほしい。
ある調査によると、東京オリンピックがあることは知っているが、東京のものであり関心は低いと言っている人が結構いることが分かる。これから2020年に向けて、東京のものではなくて、それこそオールジャパンということを意識してもらい、どうやって参加するのかわからない人にこういう方法があるという具体的な情報を出すのも、事務局の大きな務めだと思う。

その他意見

委員

オリンピック・パラリンピックでは、国を背負ってそのスポーツで戦う姿を見る。それで、今までの4年間の蓄積をここで出していくアスリートの姿を見て、非常に心を熱くする。
ほかのまた大会とは違う、心がわっと沸き立つような大切な大会であるということをどんどん実感していくと思う。
「復興・オールジャパン・世界への発信」というテーマに即した様々なアクションが出てきているが、これがメッセージだというのがなかなかわかりづらい。
アスリートが本当に力を尽くせる大会、障害者スポーツへの理解が深まってパラリンピックがもっと身近なものになる大会になればいいなと思う。復興に関しても、復興の状況を発信しつつ、世界各国からの支援に対する恩返しをこの大会をよい大会ですることで見せていく、そういった何か日本ならではの誠意を形にして、観光で東京に来る人、日本に来る人にとっても心地よい環境を提供したい。
一つ一つの発信するものの中にも、そういった誠意を大切にし、そこをスタートに細かいことを積み上げていくことが大事。青臭いかもしれないが、そういった感想を今日一日持ちったので、伝えさせてもらう。