経済・テクノロジー委員会(2015年12月11日)議事要旨

開催日時

2015年12月11日(金)14時00分~16時00分

開催場所

虎ノ門ヒルズ森タワー9階 会議室A(TOKYO)

出席者

経済・テクノロジー委員、政府、東京都、組織委員会

議事

議題

  • これまでの議論の振り返りについて
  • 経済・テクノロジーの中間報告(案)等について
  • 中間報告以降のアクション&レガシープランの取組について

議事概要

はじめに

  • 今年6月に第1回目の委員会を開催し、今回で第2回目である。これまで委員長をはじめとして委員の皆様の貴重なご意見、活発な議論に深く感謝申し上げる。
  • 本委員会は、来月公表を予定しているアクション&レガシープランの中間報告(案)を主な議題としているが、中間報告以降のアクション&レガシープランのPRのアイデアやプラン全体についても幅広くご議論いただきたいと考えている。
  • これまで委員会を1回、ディスカッショングループを3回開催し、開催回数は少ないが非常に活発な良い議論ができたと思っている。
  • 経済もテクノロジーも連続的であり、また多くの課題を抱えているので、まず初めに問題の洗い出しをし、オリンピックを意識したものとしてまとめ、実行を念頭に置いたものにまとめていくことを行ってきた。
  • これまでいくつかの具体的な案も出てきており、これまでのように忌憚のないご意見を是非お願いしたい。

論点1:これまでの議論の振り返りについて

  • 「ジャパンブランドの復権」をテーマとし、経済・テクノロジーそれぞれの分野で残すべきレガシーと課題を以下のように整理

経済

残すべきレガシー

  • 高性能経済
    課題:生産性革命、高度な技術力・高品質な製品のアピール、生活で実感できる高付加価値、金融インフラ(技術)の整備
  • 底力の発揮
    課題:地方の魅力全開、多様な人材の活用、起業力・イノベーション力の開花
  • 高齢化先進国への挑戦
    課題:多言語・バリアフリー対応、医療やケア・介護のアピール

テクノロジー

残すべきレガシー

  • 感動の共有
    課題:最先端の映像伝達技術を駆使した魅力ある演出、多言語コミュニケーションの推進、スポーツとICTの融合
  • For All
    課題:先進的なバリアフリー技術のショーケース化、ロボットの活用、ロボットやICTを活用した優しくスマートな居住空間・都市空間
  • 高信頼・高品質の安全
    課題:高信頼・高品質なサイバーセキュリティの推進、電力供給の信頼性、柔軟かつ強固な防災・防犯
  • 水素社会の構築
    課題:水素技術の活用、ショーケース等による演出

論点2:経済・テクノロジーの中間報告(案)等について(主なご意見)

経済

生活で実感できる高付加価値

  • 無線通信ネットワーク技術や人工知能といった先進的技術を、オリンピック・パラリンピックで東京を訪れる様々な人とのコミュニケーションツールとして最大限活用したらどうか。例えば、多言語対応や接遇対応促進、情報発信のスポットに活用することにより、観光や消費への効果が期待できる。
  • 課題としては、無線通信ネットワークの活用がガラパゴス化しないように国際標準規格への対応をしていくことや、デバイスの普及促進を進めていくことが考えられる。また人工知能の活用に向けては、官民が共同利用できるような環境整備が求められる。

高度な技術力・高品質な製品のアピール

  • 環境や持続可能性についてのキーワードが少ないと思う。エコ的な分野は日本の得意分野であり、非常に重要な視点であると考えるので表現の中に追加しても良いと思う。

金融インフラ(技術)の整備

  • フィンテックの技術がものすごい勢いで発展しているのが現状であるが、5年後には今想定しているものと相当違う形になるのではないかと考えている。そのために、何をどういう体制で行うのかという戦略的な考え方が必要になるのではないか。
  • 海外でのフィンテックの発展の背景には公共サービスと結びつけているケースが多い。そのため、日本においてはオリンピック・パラリンピックのサービスのマーケットに対して、逆算してどういうフィンテックの状況ができるべきかを考えた上で準備していくことが重要。
  • 世界的に見て、日本の大手ベンダーを中心に生体認証によるテクノロジーの進化が進められている。その生体認証を普及促進させていくために、共通なプラットフォームを構築するとよいのではないか。そしてオリンピックという大会において例えば会場での本人確認や、物品購入の支払いの簡素化、免税手続きの簡素化のサービスができるのではと考えている。
  • フィンテックは2020年までの日本の成長戦略としては非常に重要な項目であり、海外の企業を呼び込み、オープンイノベーションの推進の場にしてショーケース化していく形がとれないか。
  • 公共サービスと絡めた日本初のサービスができないかご検討をお願いしたい。
  • <高度な技術力・高品質な製品のアピール>にある“日本発のフィンテックを世界に発信する”という表現は、世界のフィンテックの発展が早い中、非常にチャレンジングな内容である。“日本発”という言葉を残すかはご検討いただきたい。

地方の魅力全開

  • 高校生たちが、自らの地域を支えている企業の人たちを深堀りしていくような取材の仕方を教えて、それを高校生自ら情報化しアーカイブ化していくことが、地方の意識を客観的に変える仕組みになると考えている。アーカイブを更に活用するには、これまでの人頼みだけでなく、テクノロジー(AI等)でやっていくのも良いと考えている。そして、PR(広報活動・宣伝)でなく、PE(Public Engagement:公衆・公共への参画、国民関与)にしていきたい。
  • 日本の地域の魅力や文化の伝承・継承は、デジタル化して形として残すことが大事なミッションで、既に幾つか動いている。“表現すること”と“繋げていくこと”にテクノロジーを活かせる役割があると考える。
  • 農林水産物についても、政府にて匠の農業の伝承にAIやデータを活用する動きが出ている。日本人が持つ技術や文化をデジタル化して伝承し、アピールして知財化し、世界にアピールすることが考えられる。
  • 現在の“観光の魅力を映像化する”というような淡々とした表現でなく、全体をまとめるにあたりもう少し浮きだった形になった方が良い。表現を含め検討していただいた方が良い。
  • “地方の魅力を高校生が中心となって映像化し、発信するプロジェクト”は地方の魅力の全開に記載されているが、もう少し深い内容なので表現含めて検討願いたい。
  • ジャパンブランドの復権を全体のテーマとして掲げているので、地域の魅力というのは全部に関わってくると思う。全体の冒頭の部分に上手く記載できれば良いのではないかと思う。
  • 日本の観光に関して、東京・京都以外の宿泊のキャパシティーが足りていない課題があると感じている。宿泊に関する規制が多過ぎて、なかなか新規の宿泊提供者が入りにくい制度と聞いており、取組を進めているとは思うが、その規制緩和が絡む文章を入れるべきである。
  • 観光のゴールデンルート以外は、宿泊地が非常に少ない。更に、観光バスが少ないことや駐車場がないという課題も出ている。オリンピック・パラリンピックを契機として、各地のスポーツや合宿地を通じた整備の広がりがあっても良い。
  • 地方では、オリンピック・パラリンピックの言葉をPR等に安易に使用できないため、盛り上がりに欠けている。そのため、ロンドン大会であったようなインスパイア・マークやキャッチコピーのようなものがあると、地方への働きかけや地方における盛り上がりも大きくなると思う。
  • マークやキャッチフレーズ等については、エンブレムが決まってから組織委員会にて検討が行われるはずである。

多様な人材の活用

  • 留学生に関して、日本から海外への留学生に対する奨学プログラムが文科省を中心に多く設けられているが、海外から日本への留学生に対する奨学プログラムはじめ、特に日本での就職が課題である。就職プログラムを付け加えるとよいのではないか。
  • オリンピック・パラリンピックにちなんで、日本で働きたいという人をマッチングする等、経済界との動き等との連携をとっていただきたい。
  • 奨学金に関しても、オリンピック・パラリンピックに絡ませて焦点を絞ったものにしていった方が良いと思う

テクノロジー

感動の共有

  • テクノロジーの内容がふんだんに記載されているが、どのような人がどんなタイミングでどう使うかということが記載されるように、更に具体化していく必要があると思う。例えば、多言語コミュニケーションにおいて、既存の公共的な看板を翻訳する話なのか、歴史等の文化的な説明をするものなのか、色々なパターンがあると思う。
  • ここでの議論として、実際に利用者の利便性の観点からどのレベルまでやるのかという標準化やガイドラインのような項目出しのようなものも今後できると良いと思う。
  • 項目出しは広がれば広がるほど良いと思うが、優先順位があるので、どんなステップで実行していくのかという書き方を検討していただきたい。

For All

  • これから5年というのは、それなりの時間なので、ロボット技術も含めて、どこまで新しく感じることができるか、また、介護などについても、規制緩和を含めて行われることによって、完成するものもあれば、時間軸を少しずらして検討した方が良いものがあるかもしれない。(経済の“医療やケア・介護のアピール”も同様)
  • まとめ方とかターゲティングをどこにするかというご指摘と思うので、全体を通じて調整すればよいと考える。まとめるにあたり上手く調整をお願いしたい。
  • パラリンピックが2回開催されるのは東京が世界初であるのに、高齢者や障がい者に向けてというメッセージが薄いと感じる。もっと見えるようにした方が良い。
  • バリアフリーの“ショーケース化”とあるが、ただ並べて置くのではなく、真剣に取り組んでいくことができると思っているので、ショーケースという書き方を変えた方が良いのではないか。
  • ロボティクススマートハウスを高齢者世帯が非常に多い地域に建設しようと検討を進めている。今後設計に着手し、2019~2020年にオリンピック選手村に最先端の介護支援型ロボットのスマートホームの展示をしたいと考えている。
  • 現在の文章案には、居住空間を作っていくという表現が入っていないため、事務局に文章に盛り込むよう検討していただく。

高信頼・高品質の安全

  • 電力はロンドン大会のときにかなり狙われたが、電力だけでなく、例えば原発、航空、鉄道などの電力を含む重要インフラのセキュリティが着目すべきことだと考える。したがって、2020年大会では更に重要インフラを守っていく姿勢がいると考える。
  • サイバーセキュリティの観点として、電力だけでなく、重要インフラも加えて検討する。

水素社会の構築

  • 技術的にCO2を削減することは、これはいわゆるビッグデータ活用の一つの成果と思う。このような取組みは日本もかなり進んでいる部分があり、重要なアピールポイントになると考える。
  • このあたりは、水素社会の構築の部分にもなるが、具体的なご意見などあればお願いしたい。
  • 水素社会の構築について、水素の活用を競技会場や選手村だけではなく、オリンピック・パラリンピックの世界からの玄関口の空港をつけ加えていただきたい。
    なお、水素をつくる時のCO2を抑えるというのも大きなテーマ。CO2を完全にフリーにするには年代的にはまだかなり先になる。オリンピック・パラリンピックで一部でもCO2フリー水素使うこともショーケースとしては重要と考える。
    水素技術を活用した車両については、組織委員会や行政とも連携を取りながら大会関係車両やバスなどに導入をしていきたい。また、そのPRにあたっては、経済界ではいろいろな業種において世界各地で大きなショーがあり、それらと上手く連携を図りながら進めていけたら良いと考える。
  • CO2フリー水素については、2020年までの時間軸の中で、どのようなレベルで活用できるか上手く表現も含め考える必要がある。
  • 現段階でレベル感については難しいが、しっかりと取組んでいる事を見せていくことが大事だと考えている。

おわりに

  • アクション&レガシープランの中間報告は1月25日の理事会を経て公表を行い、次にリオ大会前に全体の公表を行おうと考えている。
  • 来年以降の具体的な会議運営等は、本日の議論を踏まえて別途ご連絡する。