アスリート委員会(2015年12月21日)議事要旨

開催日時

2015年12月21日(月)14時00分~16時00分

開催場所

虎ノ門ヒルズ森タワー9階 会議室A(TOKYO)

出席者

委員

高橋尚子委員長、河合純一副委員長、穴井隆将委員、及川晋平委員、小宮正江委員、齋藤里香委員、菅原智恵子委員、関根明子委員、土田和歌子委員、萩原美樹子委員、廣瀬隆喜委員、三浦恵子委員、米田功委員(計13名)

臨時委員

十時臨時委員(代理)、早崎臨時委員(代理)(計2名)

事務局

森会長、武藤事務総長、布村副事務総長、佐藤副事務総長、室伏スポーツディレクター、吉村大会準備運営局次長、桑原アクション&レガシー担当部長(スポーツ・健康担当)(計7名)

議事

開会

森会長挨拶、高橋委員長就任挨拶

議題

  • アクション&レガシープラン(スポーツ・健康)の中間報告案について
  • 大会準備関係の取組状況について

議論概要

議題1. アクション&レガシープラン(スポーツ・健康)の中間報告案について

  1. 誰もがスポーツを「する・観る・支える」社会の実現について

    (1)スポーツへの参加促進、活性化

    • 海外合宿をしていた際、様々なスポーツイベントが日常的に開催されていた。アクアスロンなど当日参加も可能な簡易な参加受付で運営されており、夕方からサラリーマンが参加していた。こうした気軽な形で実施できれば、イベント会社による大掛かりな運営がなくてもイベントは可能というモデルとなる。身近に親子等で気軽に参加できるスポーツイベントが増えると良い。
    • 先日ある自治体のイベントに参加したところ、地域の体育振興会が、有志のボランティアで運営していた。補助金等を活用し、待遇も含めてより活性化できるのではないか。総合型クラブには足を運ばない人も含めて回覧板等でより多くの人が参加できるスポーツイベントに力を入れてはどうか。
    • 一見スポーツと関係ないようなイベントと連携することで、スポーツに無関心の人へのアプローチをしていけるとよい。例えば、関連スポンサー企業と一緒に赤ちゃんのハイハイの競争イベントを開催し、子育ての情報とスポーツの情報も盛り込めると良い。

    (2)スポーツと健康

    • 一般の方で「スポーツをすることの敷居が高い」と感じている人は多い。また、時間が無いという方も多い。5分でもよいので身体を動かすことは楽しいし、大切だし、健康にもつながるということを伝えていきたい。

    (3)アクション例

    ①「リオから東京へ歩いて(走って)いこうプロジェクト(仮称)」

    • ユニークな発想であり、「私なら泳いで行く」など、アスリート委員がそれぞれの競技種目を活かして一緒に参加するなどできたら面白い。
    • アプリを使って参加を広げるというのは非常に面白い。体操の技も歩数換算するなど、色々な競技スポーツを通じて参加できるとしたら良いのではないか。
    • ウェイトリフティングなど数字は色々とある。アプリを通じてみんなが参加するイベントとすることができるのではないか。

    ②「スポーツ版キッザニア(仮称)」

    • 全国各地のイベントと連携して、どこかの地域で毎週のように開催されているというような形で、地域や世代を超えたスポーツ普及活動が展開できると良い。
    • 子供だけでなく、大人もオリパラ競技に触れ合える場ができるとよい。
  2. アスリートが活躍する社会の実現について
  3. (1)アスリートと社会の関わり方

    • バスケットは企業所属のアスリートが多い。昔アメリカでプレーをしていたときに年2、3回地域ボランティアへの参加義務があった。アスリートはスポーツをすることで社会に対して責任を負っていることが意識させられた。そうした意識の啓発が重要。
    • アスリートは競技だけをしていればよいということではなく、イベントに参画することでアスリートとしての責任感や自覚も高まったり、アスリート自身のセルフプロデュースの能力も向上する。

    (2)オリンピック・パラリンピックやスポーツ推進等への関わり方

    ①競技のPR・体験等の推進

    • NFから、全国の協会に呼びかけて、競技のPRも含めて自分から取組んでいきたい。スポーツへの関心を高め、選手と観客が親近感をもってもらえるようにアクションをしていきたい。
    • 体操のファンを増やしファンと選手をつなぐための、ファンイベント等の実施に着手している。未だ手探りであるが、こうしたイベントを継続し、ファンを増やしていきたい。
    • 招致活動の際のピンバッチのように、イベントのときに参加者へ配布できるグッズがあると良い。自分の活動を通じて、アクションにも協力していきたい。
    • 実はフェンシングは小さな子供から年配の方までが実践できる。体験イベント等に積極的に自分が赴きながら競技の普及活動をしていきたい。

    ②子供たち等とのふれあいの推進

    • コーチとしてトレーニング指導、オリンピアンとしての活動を展開している。ウェイトリフティング教室などを通じて、子供たちと触れ合うことで色々な気づきがあった。そうした活動を積み重ねていきたい。
    • アスリートが児童福祉施設を訪問するアクションや、「わがまちアスリート(仮称)」として提案されているアイデアのように、地域のスポーツ振興に関わりたい。

    ③次世代の育成

    • 現役コーチのため、現場で選手を育てることを通じアクションに関わりたい。
    • 体操は学校体育で発達したが、水泳はスイミングクラブにより発達した。自分のキャリアを活かして、民間の体操クラブ、体操教室を発展させていきたい。引退したアスリートがキャリアを活かして体操に関われる環境ができるとよい。
    • 現場でコーチをしているため、現場で活動していきたい。
    • 大学の教員として、「オリンピックと国際社会」という授業を行っている。オリンピックの歴史はほとんど知られていない。歴史を知ることがアクションにもつながる。

    ④アスリート委員会としてのアクションの推進

    • アクションを進める上では、アスリート委員は現役の方が良いのではないか。
    • 現役アスリートでなくても、競技の体験機会を提供することは可能。アスリート委員が各団体などに声をかけていただいて、現役のアスリートにも可能な範囲でアクションに関わってもらえるとよい。
    • 現役アスリートの参画が必要かどうかは、イベントなどアクションの内容にもよるため、内容に応じて詰めていけばよいのではないか。
    • アスリート委員会として色々なスポーツイベントに参加して広げていけると良い。集まれる委員だけでも参加して、アスリート委員会からスタートしていくアクションが実施できるとよい。
    • 例えば、「地域マラソンと連携して大会に向けたアクションをやってほしい」というような声かけを大会組織委員会から地域マラソンの実行委員会などに呼びかけてくれれば、自分も何かしら協力をしやすい。
    • 競技のPR活動やファン層の拡大に向けて組織委員会にアスリート委員をどんどん活用して頂き、経験談等を語っていくことがレガシーとしても残っていくのではないか。
    • 東京2020大会に向けて、マイナーと言われる種目も含めて、オリンピック・パラリンピック競技の魅力をPRしていきたい。東京マラソンなどの大イベントをはじめ、各地域の様々なイベントと連携し、地域スポーツを盛り上げていきたい。実現に向けては、難しい課題も色々とあるが、アスリート委員の皆さんにも参画していただけるようにしたい。
  4. パラリンピックを契機とした共生社会の実現について
  5. (1)良い取組や経験の発信

    • 民間のスポーツクラブも含めて障がい者の受入を進めている好事例等を発信していくアクションに関わりたい。進んでいる取組を積極的に広報することにより、やがてそれが当たり前になるような形でレガシーになると良い。
    • 障がい者のスポーツ参加を進めるための好事例が広く発信されば、自分の視点も広がると思う。
    • スポーツ産業の見本市等と連携して、障がい者スポーツの道具を広く紹介し、日本の技術力の高さをアピールするとともに、アスリートのニーズと、技術、企業のマッチング等も進めていきたい。
    • 障がいがあるからこそ伝えられることがある。講演や体験会、運動指導等を実施しているが、少し体を動かすだけで気持ちが変わり、前向きに職業訓練等も受けられるようにもなる。
    • 民間のジムでトレッドミルまで行くのに、ひと声かけてもらえるとすごく助かったという経験を伝えていきたい。
    • 心のバリアフリーやおもてなしについて、アスリートだからこそ言える色々な体験談などを、ホームページや教育現場の教材として組み込んでいくといったことができるとよい。

    (2)競技認知度の向上や実施環境の改善

    • 障がい者スポーツができる場所はまだ限られている。スポーツとしての認知度も低い。施設の利用に、団体登録が必要なケースも多い。ボッチャは床を傷つけるなどのイメージもあり、そうではないと説明が必要なケースも多い。競技の認知度を高めることで気軽にできたり、実施できる場所が増えると良い。
    • 実際に競技の体験をすることが認知度向上につながり、全国に広がる。
    • イベントの実施や特別支援学校の訪問などで、障がいのある人も自分にできるスポーツがあるということがわかる。選択肢ができ、自分にあったものを選べれば卒業してからでも継続的に参加できる。
    • 障がいがあるからこそ伝えられることがある。講演や体験会、運動指導等を実施しているが、少し体を動かすだけで気持ちが変わり、前向きに職業訓練等も受けられるようにもなる。
    • 競技のPRや体験機会の提供などは、パラリンピック競技(障がい者スポーツ)だけでなく、オリンピック競技など、他の競技スポーツと一緒にしたい。
    • 車椅子バスケのリオ代表コーチをしているが、リオ大会参加が決まり、オリンピック競技と同等の色々な支援を受けられるようになった。マルチサポートを受けたり、どのようにしたら強くなれるかということがスポーツ医科学の力で解明されていくということが、非常に大きい。

    (3)レガシーとして残すための工夫

    • 障がい者スポーツを体験してもらうことで変化は生まれる。夢大使として学校で自分の経験を伝えているが、授業としてさらに展開していけると継続的な活動となる。
    • スポーツを通じて、障がい者がどうしたらもっと健康になれるか等について、スポーツ医科学との融合による研究を進め、財産を残していきたい。
    • 「知ることで解決する」という面は大きいが、2020年大会以降は、パラリンピック競技については多くの普及啓発活動はなくなってしまうのではないか。知る機会を恒常的に組み込んでいくか必要であり、教育の仕組みの中に入っていくことが重要。また雇用という面で社会の仕組みに入っていくこともレガシーにつながる。

議題2. 大会準備関係の取組状況について

  1. リオデジャネイロ2016大会に向けた取組について
    • リオ大会でアピールすべき日本・東京の魅力としては治安のよさ、平和なところが第一に挙げられる。子供が一人で通学できたり、女性が一人で走ることができるといった自由にスポーツができるところも魅力である。食事の豊富さも魅力。また時間管理がしっかりしており、計画的に動くことができるという点もアスリートにとっては重要。芸能や芸術、四季や景観などについても世界にアピールできるではないか。
    • 食事のおいしさが魅力である。また、歴史・文化がある一方でテクノロジーも発達している点も特徴として挙げられる。そうした技術的な強みをアクセシビリティの改善にも使っていけるとよい。
    • 食事、テクノロジー、芸能、建物などについて、海外から日本に帰ってくると良さを感じる。トイレが清潔という点も日本の良さである。
    • 和装、和食、建築物などが日本的であると思う。木造など見ると日本を感じる。和装をしたい外国人は多い。
    • 日本についておもてなしという言葉がよく使われるが、おもてなしについて、海外では日本人は何でも言うことを聞くという印象もあるため、どこまで何をすればよいのかなど改めてきちんと考える必要がある。
  2. 東京2020大会の選手村について
    • 冬のパラリンピックに出場した際に、積雪が多く選手村での移動が非常に大変であった。事前に情報があれば車椅子のタイヤを変えるなどの対策がとれたが、情報が無かったため現地での生活に苦労した。
    • 夏のパラリンピックでは基本的に選手村で生活に困ったことはない。
    • 選手村については、IPCのアクセシビリティガイドラインなども踏まえて、都度検証をしながら改善していくことになっている。ここでの意見表明もさることながら、進める側に意見に基づく改善余地を残して計画していくことが重要。
    • 最終的に住宅売却するとしてもまずは選手村としての機能を果たすことが必要。そのためには関係者で互いに意見を言ってより良いものをつくるという仕組み自体を担保することが重要である。
    • アテネ大会の際にエレベーターが動かなくなったり、シャワーや水道が止まったりという事態が起こった。また緑が無く、人口島の中にいるといった環境で居心地が悪かった。緑の植栽やお茶を飲んだり本を読んだりする憩いの場があると嬉しい。