街づくり・持続可能性委員会(2016年1月14日)議事要旨

開催日時

2016年1月14日(木)10時00分~12時00分

開催場所

虎ノ門ヒルズ森タワー9階 会議室A(TOKYO)

出席者

委員

小宮山宏委員長、秋山哲男委員、家田仁委員、石戸奈々子委員、鎌田由美子委員、岸井隆幸委員、小西雅子委員、崎田裕子委員、髙巖委員、田中暢子委員、橋本哲実委員、藤野純一委員、増田宗昭委員、松島克守委員、間野義之委員、森口祐一委員、野城智也委員、山崎亮委員、横張真委員(計19名)

臨時委員

岡西康博内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官、安井順一東京都技監(計2名)

事務局

森会長、武藤事務総長、佐藤副事務総長、布村副事務総長、中村企画財務局長、杉浦大会準備運営第一局長、佐々木アクション&レガシー担当部長、田中持続可能性部長 (計8名)

議事

開会

森会長挨拶

議題

  1. 1. アクション&レガシープラン中間報告案について

議論概要

1.街づくり

  1. 中間報告案では街づくりが中心になっており、交通の運用が抜け落ちている。バスやタクシーのバリアフリー化のようなものも抜けているので、追加してはどうか。
  2. 新宿駅のバリアフリー化とあるが、今のプロジェクトを取り上げるのではなく、大局的に捉えて、羽田や成田とつながる品川駅や東京駅など、連続性の観点から重要な乗換駅を取り上げるべき。
  3. 基本的な考え方には、検討された重要且つ委員のほぼ共通の認識と思われるものは盛り込むべき。2020年の東京オリンピックに対して国民が共有する盛り上がり感がなく、それを打破するために全国民が支援できるような考え方が必要ということが共有の認識である。
  4. 東北や福島の復興の街づくりを協力し、支援・応援し、また、復興してきたことを世界に知ってもらうことが、街づくりの基本的な考え方に入れるべき。災害復興に対するある種の頑張りと喜びを共有しようということは入れてもらいたい。
  5. 世界の街づくりでも、いかに街に多様な人を集め知的集積を創るかということをしている。魅力的で創造性を育む都市空間では、多様な人が集まって共存するイノベーションディストリクトのパイロット事業を起こすことについて経済界からのアクションとして提案はないか。
  6. 都市の賢いマネジメントでは、例えばスマートシティ関連産業に関連したパイロット事業として、官民あるいは官の中で縦割りではなく、横断的にできるとよい。安全・安心な都市についても同様。
  7. 地方への触れ方が薄いと感じた。被災3県のみならず、日本の地方の課題は国の課題でもある。食の根源には地方の一次産業があり、オリンピックはそれをPRできる場になる。港湾地帯など、通常では使えないような場所を活用しながら展開ができるのではないか。
  8. 農業の分野では世代交代や新規参入が課題だが、地方で農業をやりながら海外の途上国で農業支援をしている若者もいる。そうした活動をマルシェなどで取り上げ行動の仕組みを作り、参加できるような形を作ることで、お金をかけずに中小の組織が東京で地方のPRができるようにするなど、そうした視点もあったらよい。
  9. 国や東京都の既存施策との整合性を図っているのは分かるが、この委員会として横断的、長期的視点で日本の将来像を示すといった、独自性を大切にするという趣旨でまとめて欲しい。
  10. 国民の関心が高い街づくりのレガシーは新規恒久施設がおかれる神宮外苑や臨海部というエリアの街のあり方。施設の有効利用は言及されているが、面的な広がりやそこを核とした一体整備というイメージが、現状では少ない。そのエリアに、健康、スポーツ産業や創造的な文化・アートの新しい価値を生む拠点、国際的な知的ハブの創出、また、そのための手法としての公民の協働やエリアマネジメントの試みなど、成熟社会の都市づくりのモデルとしての姿を示した提言が必要。
  11. 会場が埼玉県、千葉県や神奈川県にまたがることもあるので、東京だけでなく、都市圏さらには日本でやることを強調してもよい。そのためには街づくりのハード面だけではなく、地方で行われるカルチュラル・オリンピアードとどうつながるのかということを、具体的に示すことが大事。
  12. アジアの国々でオリンピックに十分に参加できていない国々がオリンピックを感じられるようにするべきで、そのためにODAのような取組を同時に行うべきではないか。アジアの国々のスポーツを通じた健康や、日本の長寿社会のノウハウを展開するということが大切。

2.持続可能性

  1. 昨年末にパリで開催されたCOP21では、2100年に向けて非常に重要な合意がなされた。そのような流れをレガシーに盛り込めないか。また、アクションに「CO2排出を管理・抑制」があるがまさにその通りで、見直して改定していくPDCAのようなプロセスが大事。
  2. 国際的に見せるならば、「CO2に代表される温室効果ガス排出量」などと表現したほうがよい。また、低炭素だけでなく、21世紀後半に向けて世界全体でゼロまたはマイナスの排出量を捉えた脱炭素という表現を加えて、世界の認識を踏まえていることを示したほうがよい。
  3. 「低炭素・脱炭素型社会システム・ライフスタイルを推進」を行うためには企業の役割が大事なので、経済界などに働きかけをすべき。また、21世紀をリードするような新しい環境技術を創出するのは企業や研究機関等なので、「環境技術の創出を促す」という書き方がよい。
  4. 環境に対する意識や取組の向上、オリンピック・パラリンピック教育を展開することは非常に重要なので、行政にも実施を働きかけて欲しい。
  5. 暑熱環境への取組について、個人的に政府と意見交換や協力依頼をしており、経済界でも民間事業者による道路緑化及び公開空地の緑化推進といった取組をしているので、アクションに記載できるのではないか。
  6. 緑化等については、2020年までに市民を中心としたNPO等含むさまざまな団体に加わっていただくようなスキームを省庁あるいは民間事業者と検討しているため、市民という主体があった方がよい。
  7. オリンピックは、持続可能な社会に移っていくために様々な社会システムを変化させる大きなきっかけになる。そこで重要なのは技術力と人間力と地域力で、皆が集まれるような形とすること。そのために、参加・協働というところをもっと強調して発信することが大切。
  8. ISOのマネジメントシステムについて、持続可能なイベントマネジメント(ISO20121)だけでなく、企業等が活用している多様なマネジメントシステムを社会に定着させて、持続可能性の精神を担保しながら、今後の社会の基盤として活用していくといったストーリーがあってもよい。
  9. パリ協定では世界が脱炭素を目指すことになった。パリ協定は2020年以降の枠組みで、世界的にも非常に注目が集まるため、オリンピックでも「低炭素」だけでなく、「低炭素・脱炭素」を目指すという表現がよい。
  10. 2020年のオリンピックなので、低炭素化、省エネルギー、再生可能エネルギーという言葉が出てくるときは、「世界最高水準の」という言葉を加えたほうがよい。
  11. 水素社会の推進は重要だと認識しているが、水素はあくまでキャリア(担体)なので、低炭素、省エネルギー、再生可能エネルギーがあって水素がくる順にしたほうがよい。
  12. これから持続可能な調達コードを議論していくが、デリバリーパートナーの関心が高い、調達コード策定のプロセスを明示すべき。
  13. 東北の復興というのは、やはり「アクション&レガシープラン中間報告」には書くべき。水素エネルギーの話で若干問題があるかもしれないが、本文でも「東北などで作られた再生可能エネルギーを活用したCO2フリー水素の導入」ということはアクション例に入れてもらいたい。
  14. 電気から水素の変換効率は非常に悪い。経済産業省で変換効率を改善するためのプロジェクトを立ち上げたようなことが新聞記事になっていたので、事実関係を確認の上、アクションに記載してはいかがか。
  15. 参加となると、例えば地域の拠点数やファシリテーター養成人数など、具体的に書かれることが少なく、大事な要素は盛り込まれているものの、内容が分からない計画になってしまう。参加、みんなで一緒に作るということを前面に出して、アクションでより具体的なことを書いていくべき。
  16. 福祉や健康、教育、環境など、どの分野についても2020年のオリンピックを契機にした参加の仕方や窓口、トレーニング、お金のつけ方(ファイナンス)などの実績をその後の参照とするような、社会参加のためのシステムを作るとよいのではないか。そのあたりを具体的にアクション&レガシープランに記載してもらいたい。

3.全体について

  1. アクション&レガシープランを議論するプロセスそのものに対する国民の方の参加が不足している。一方的に決めても浸透しないので、中間報告では間に合わなくとも、成案にする段階で参画を促すべき。
  2. オリンピックは全世界に向けて発信され、全世界が共有するイベント。今の日本の姿や目指すものを国際的にアピールするよい機会であるので、その点を意識すべき。
  3. キーワードでアピールすることが必要。「再生」という言葉は、例えば再生材の活用、再生資源、再生可能エネルギー、それから震災からの復興という意味でも非常に重要となる。いくつかのコンテンツに共通するキーワードを見つけ、アピールすることで伝わりやすくなるので、今後議論できたらよい。
  4. アクションの示し方として、実際に実施するものなのか、実施する可能性があるものなのか、その点は整理した方が報告書として一貫性がある。
  5. オリンピックの前後の年でラグビーワールドカップ、ワールドマスターズゲームが日本で開催される。この3年間を見通せるような時間軸のレガシーの視点を持つことは組織委員会ができることではないか。
  6. アジアでのオリンピックとあるが、他の国の人々の中に無形のレガシーを残すという視点があってもよい。例えば、パラリンピックで未出場の種目がある国を、日本の技術で応援して出場できるようにするなど、他の国の方々の心にも何かよいことが残るような視点。
  7. 子どもたちへただ残すのではなく、子どもたちも学び、一緒に参加していくアクションを通して残すことが必要。国際パラリンピック委員会の会長も「リバースエデュケーション」という言葉を用いておられ、子どもが大人を教育できることは沢山あるということが言われているとおり、子どもたちに残さないと意味がないということを私たちは認識すべき。
  8. オリンピック・パラリンピックの視点では、「平和」という言葉をいれられないか。パラリンピックでは元傷痍軍人の選手が非常に増えている。私たち日本人から平和というメッセージを伝えられるのではないかと思う。
  9. 文章は大学生が読んで、2020年以降の日本の姿がイメージできるようなものに。一般に読みやすいものにしたほうがよい。
  10. 国民の皆様に伝えるためには、優先順位付けをして短いセンテンスで表現し、その次にコード化や数値目標をいれていくとより具体的になる。
  11. 子どもや大学生が読んでワクワクするような感じがない。新しい技術や文化といった未来を感じさせる要素がもっとあっていいのでは。
  12. 例えば、いくつかの特区に、レガシーとなるような街の基盤を集中的に整備するのもよいのではないか。新しいテクノロジーに投資して、新しいスポーツのあり方、新しい観戦のあり方というのを日本が提示するなども考えられる。例えば、ドローンなどを活用してオリンピックに参加できない人達でも臨場感を持って選手と同じ気持ちで見ることができるような技術や、競技自体に参加できるような技術のように、ワクワクする未来の感覚を入れられるとよい。