フェンシング

フェンシング

フェンシングのピクトグラム

オリンピック競技

フェンシング

最速の剣士による刹那の勝負 一瞬の隙を狙い撃て。

競技概要

2人の選手がセンターラインを挟んで向かい合い、片手に持った剣で互いの有効面を攻撃し合う競技。ピストと呼ばれる細長い伝導性パネルの上で行われる。競技はフルーレ、エペ、サーブルの3種目。使用する剣の形状や、得点となる有効面、優先権の有無などが種目ごとに異なっている。

試合は、個人戦と団体戦が実施される。個人戦は、3分×3セットの9分間・15本勝負(15点先取)。団体戦は1チーム4名のうち3名による総当たり戦で、3分間・5本勝負(5点先取)を9試合行い、45点先取または9試合までの得点の多いほうが勝利する。

オリンピックでは、第1回アテネ1896大会で男子種目が正式採用されて以来、欠かすことなく現在に至っている。女子種目はパリ1924大会から実施。東京2020大会では、フルーレ、エペ、サーブルの3種目において、男女とも個人・団体の計12種目が実施される。

種目

  • フルーレ個人(男子/女子)
  • エペ個人(男子/女子)
  • サーブル個人(男子/女子)
  • サーブル団体(男子/女子)
  • フルーレ団体(男子/女子)
  • エペ団体(男子/女子)

ESSENCE OF THE SPORT/競技の魅力、見どころを紹介!

駆け引きとテクニックを駆使した一瞬の攻防 剣さばきのスピードと高い精度に注目

フェンシングの試合

フェンシングの魅力は、瞬時の技と動作の応酬にある。頭脳的な駆け引きや、間合いを詰めた接近戦などスピーディーな試合運び、そして卓越したテクニックが生み出す精密で華麗な技が見どころだ。照明が落とされ、静寂に包まれた試合場で繰り広げられる激しい攻防は、瞬きも許されないほどの一瞬で勝負が決まる緊迫感に満ちている。

フルーレ、エペ、サーブルの最も大きな相違点は、有効面と呼ばれる、得点となる体のターゲット範囲だ。フルーレは背中を含む胴体、エペは全身、サーブルは頭や両腕を含む上半身が有効面となっている。判定には電気審判機が用いられ、相手の有効面を剣先か剣身で触れることで通電してブザーが鳴り、有効な突きや斬りを決めた選手側のマスク上部やピスト外周の色ランプが点灯する。観客は、次々と繰り出される妙技に魅せられつつ、赤や緑のランプの発光によってポイントを明確に確認することができるのだ。

3種目それぞれの特徴や注目すべき点を意識すると、競技への理解が深まり、観戦の楽しみも増すだろう。フルーレの剣は細身で柔軟、重量500グラム以下と軽いのが特徴だ。よくしなる剣先の特性を活かして背中に振り込みを決めるなど、速く正確な剣さばきに注目だ。フルーレとサーブルは、先に腕を伸ばして剣先を相手に向けた選手が優先権を獲得する。相手は剣を払ったり叩いたりして防御することで優先権が移行し、すかさず反撃に転じる。

対してエペには優先権がなく、先に突いた方の得点となる単純明快さが魅力だ。突きが両者同時である場合は、双方に得点が入る。足の裏までを含む全身が的であるため、つま先などへの意表を突く攻めといった、変化に富む試合が展開される。

フルーレとエペは「突き」だけの競技だが、加えて「斬り」の動作も有効なのがサーブルだ。スピードのある豪快かつ見事な剣さばきに、勝負のダイナミズムが感じられる。

OUTLOOK FOR THE TOKYO 2020 GAMES/2020年に向けた競技の展望

伝統と実績を誇る強国イタリア、フランス、ロシア、アメリカに成長著しい中国、韓国が迫る

フェンシングの試合

フェンシングの原型は、ヨーロッパで発祥し、発達した剣術だ。アン・ギャルド(構え)、アレ(始め)など、用語にはフランス語が多い。当然ながら、特にヨーロッパで競技人口が多く、伝統と実績を積み重ねている。特にフランスとイタリアが双璧で、最大のライバルでもある。リオデジャネイロ2016大会までに獲得した金メダル数、メダルの総数ともイタリアが若干リードしているものの、ほぼ互角である。この2か国に、ハンガリー、ロシアといったヨーロッパ諸国が続くといった様相である。

だが、このヨーロッパの牙城が崩れつつある。近年、アジアの選手の成長と活躍が目立っているのだ。世界的に最もポピュラーなのはエペである。アジアの選手ではエペやサーブルは勝てないといった考えが長らく続いていたものの、中国、韓国はフルーレ以外の種目にも強化を図り、オリンピックや世界選手権で着実に結果を残している。たとえば、リオデジャネイロ2016大会の男子エペ個人で、格上の相手を制して金メダルを獲得したのはパク・サンヨン(韓国)。女子では中国が、北京2008大会でサーブル団体・銀メダル、ロンドン2012大会でエペ団体・金メダルを獲得している。

フェンシングはリーチの長さが有利に働くので、長い手足を生かして繰り出す突きでポイントを稼ぎやすい。そのため、2メートル近い高身長の選手も多い。体格の不利をカバーするのが、スピーディーな展開力だ。緩急のある動作でタイミングと間合いを計りながら、二の矢三の矢を放つ突きで対抗する。体格に勝り伝統を誇るヨーロッパと、技を磨いて成長著しいアジアの勝負といった図式が、東京2020大会でも見られそうだ。

<日本>
日本でフェンシングが一躍脚光を浴びたきっかけは、北京2008大会・男子フルーレ個人で太田雄貴が銀メダルを獲得し、日本フェンシング界初のオリンピックメダリストとなったことだ。また男子フルーレ団体は、ロンドン2012大会では銀メダルを獲得した。かつて東京1964大会では4位入賞を果たしている。女子は、北京2008大会・フルーレ個人で、菅原智恵子が7位に入賞している。
日本ではフルーレが主流ではあるが、ジュニア(17~20歳)やカデ(13~17歳)世代のエペ、サーブルの育成や強化に取り組んできた結果、3種目とも競技レベルが徐々に向上してきている。2020年の活躍が見込める、いわゆる東京世代の選手も実績を残し始めており、新たなスター選手の登場に期待が高まる。

TRIVIA/知られざる競技のヒミツ

Question

同点で規定の時間が終了すると、1分間1本勝負が行われる。だが双方に有効打がないまま1分が経過した場合は、どうやって勝敗を決める?

Answer

A:コインなどによるアドバンテージ。
1分間1本勝負を実施する前に、コインなどでアドバンテージを決めておく。1分間で勝負がつかなかったら、アドバンテージを持っている選手が勝者となる。

競技会場

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