東京2020アスリートビジット 大村奈央選手(サーフィン)インタビュー

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、2017年11月17日、虎ノ門オフィスにサーフィン競技の大村奈央選手をお迎えし、東京2020組織委員会職員と交流を深める「東京2020アスリートビジット」を開催しました。
また、同日、大村選手にインタビューを行い、サーフィンの魅力、東京2020大会への想い、東京2020組織委員会への期待などを語っていただきました。

大村奈央選手インタビュー

サーフィンの魅力について

まず、サーフィンの持つ魅力、競技のポイントや見どころからを教えてください。

自然の中で行うスポーツですので、選手対選手の競争だけでなく、自然とも駆け引きをしているところが他の競技にない魅力だと思っています。見どころについては、ジャッジが行う採点競技ではありますが、サーフィンをよく知らない人でも「かっこいい」と思ったライディングをした選手が勝つことが多いので、詳しくないと楽しめないとかそういったことはなくて、気軽に見ていただけると思います。

「かっこいい」ライディングをした選手が勝つということですが、大村選手がかっこいいライディングをするために心掛けていることはありますか?

私の場合は、力強さを高く評価していただけることが多いので、その力強さをどんな波でも出せるように心掛けていますね。

自然の中でのスポーツというお話がありましたが、どういう時にそれを感じますか?

サーフィンは波に乗らないと勝負にならないので、自分で波を捕まえにいかなくてはならなくて、例えるなら「自分でグラウンドを用意する」というところが、他のスポーツと大きく違う点だと思います。 普段海に入っている時も、試合の時も、プランだったり戦略はある程度練りますが、自然に逆らっても勝てるわけではないので、自然に身を委ねるというか、いつもそういった気持ちでサーフィンしていますね。

「オリンピック競技サーフィン」への想い

東京2020大会でサーフィンがオリンピック競技に採用されました。決まった時の気持ちを教えていただけますか?

うれしかったのと、不思議な気持ちが半分半分でした。オリンピック競技になったらいいなとは思っていましたけど、今までサーフィンがオリンピック競技ではなかったので、いざ採用が決定された時は、オリンピックの中にサーフィンが入るとどうなるんだろう、という不思議な気持ちにもなりましたね。 また、サーフィンは個人スポーツでありながら、オリンピックでは国を代表して戦うという点が他の大会と違うところだと思います。選ばれた代表選手しか出場できないですし、すごく楽しみという気持ちもあります。

日本人として、海外から選手や観客を迎える側として感じること

日本でオリンピックを開催するにあたり、一人の選手として、一人の日本人として、海外から来られる選手や観客をどのような気持ちでお迎えしたいとお考えですか?

私は海外に行くことが多いので、日本の良いところをすごく感じています。食事もおいしいですし、どこに行ってもトイレはきれいだし、治安もいいですしね。何か特別なことというわけではなくて、日本にいると当たり前かもしれないですけど、そういった日本の良さを外国の方にも感じてもらえればいいかな、と思います。

大村選手は海外の選手とも交流があると思いますが、東京の印象について、海外の選手から何か聞いたことはありますか?

海外だと、サーフィンの大会の会場になるような海のあるエリアは街の中心から離れているところがすごく多いんです。東京オリンピックの会場は、東京ではないですが都会からも近いですし、自然も都会も両方楽しめるところがいいよね、ということは海外の選手ともよく話しますね。

ONE TEAMについて

東京2020組織委員会は「One team」をコンセプトの1つに掲げ、大会準備を進めています。サーフィンは個人競技ではありますが、大村選手が「One team」を感じることがありますか?

そうですね。世界選手権の時は自分の他にも日本人選手が出場していますし、自分の出番でないときはコーチやマネージャーと一緒になって応援します。その時は日本チームっていう一つのチームになって戦っているんだなって感じます。他の日本人選手の調子がいいと、自分もいい状態で他の選手にバトンをつなごうっていう気持ちにもなります。

サーフボードは長さや厚さ、形などが選手によって異なり、わずかな違いがパフォーマンスに大きく影響を及ぼすため、フルオーダーで作ると聞きました。そういった制作チームとの協力体制も大事なのでしょうか。

私にとってサーフボードは、常に一緒にいるっていうこともあって信頼できる存在であるべきなんですね。サイズや形を明確に数字で伝える選手も多いんですけど、私は数字よりも「もっとギューンとしてほしい」とか、「なんかボコボコする」とか、感覚で伝える方なんです。ですから、ボードを作っていただく方とはすごくコミュニケーションをとりますし、そういった方たちにもすごく支えられていると感じます。

ちなみに、サーフボードは何本ぐらいお持ちなんですか?

サーフィンは波の大きさなどコンディションによって使う板を変えるので、海外ツアーを回る時は4~5本は持っていきます。サーフボード5本を入れられるケースって、2メートル以上ありますし、重さも25キロぐらいあるんですよ。空港でカートを押している時、私はケースに隠れて見えなくなっていますからね(笑)
ボードケース以外にもトランクもありますし、移動は本当に大変です。
でも、海外に行くと地元の選手が移動を手伝ってくれたり、宿舎まで運んでくれたりすることもあるんです。日本での大会の時は私たちも外国の選手のサポートをすることもあります。ライバルであるはずの他の国の選手をサポートするところもサーフィンならではだと思いますし、それも一つの「One Team」ですよね。

海外で試合をして日本に帰ってきたときも海に入ったりするんですか?

サーフィンはトップ選手も一般の方も同じ海に入って楽しめるとこが魅力でもあるんですけど、地元に帰って海に入っていると「お帰り!」とか声をかけてもらうことが多くて、すごくうれしいし、力になりますね。

東京2020大会について、東京2020組織委員会について

東京2020大会まで3年を切りましたが、大会に向けた準備状況について教えてください。 まず、「あと3年」は長いと感じますか?短いと感じますか?

両方ありますね。去年オリンピック競技になることが決まって、それからの1年はあっという間でしたが、すごく成長できた1年でもありました。成長するチャンスがあと3回来るというのは楽しみでもあります。

1日にどれぐらいトレーニングするんですか?

海に入っているのは1日4時間ぐらいですかね。試合では1ヒート何時間もすることはないので、それを意識して、海に入って、上がって、また入って、をこまめに繰り返しています。

海以外では、どんなトレーニングをしているのですか?

バランス系のトレーニングが多いですね。他の競技をしているアスリートと交流を持って、トレーニング方法を教えてもらったり、一緒にトレーニングしたりしています。筋トレはあまりしないですね。筋肉をつけすぎても波を読めなかったら良いライディングはできないので、そういった感覚を養うことの方を大事にしています。

私たち東京2020組織委員会はアスリートファーストの視点で大会準備を進めておりますが、アスリートとして、大会運営面で期待することをお聞かせください。

サーフィンならではでいうと、音響面を充実させていただきたいと思います。私たち選手は沖に出ているので、風が沖から岸に向かってすごく強く吹いている場合は、場内の放送が聞こえないことがあるんです。サーフィンは、制限時間内に行ったライディングのうち、上位2本の合計点数が良かった選手が勝者となるので、今の自分のライディングが何点だったのか、現在勝っているのか負けているのかは放送だけが頼りなんですね。それが聞こえないとプランも立てられないし、駆け引きもできません。お客さんも、誰が何点持っているのか、という状況を知った上で駆け引きとかを楽しんでいるので、選手だけでなく観客の方にとっても音響は大事だと思います。

他に、競技会場以外の面で私たち運営側に何か期待することはありますか?

日本らしさを出していただければと思います。それは何か特別なことをするという意味ではなくて、日本人として多くの方が持つ心遣いというか、いろんなところに丁寧であったり、きめ細やかな部分ですね。また、安全で、きれいで、競技以外の面で余計なストレスを感じる必要が無いというのは日本の素晴らしいところだと思いますね。

最後に、東京2020大会への抱負を聞かせてください。

先ほどお話ししたとおり、サーフィンは「かっこいい」と思われた選手が勝つことが多いです。私もそのような「かっこいい」と思われたいですし、オリンピックでは世界中のスーパースターが参加するとも言われているようですので、私も行った場所で「スーパースターが来た!」と言われるような選手になりたいですね。

大村選手はとても明るく、素敵な笑顔を見せながらインタビューにお答えいただきました。トップアスリートでありながらも、サーフィンがとても好きだということが伝わってきました。東京2020大会でも大村選手の素敵な笑顔が見られることを期待したいですね!

大村奈央選手インタビュー動画(別ウィンドウで開く)

サーフィン競技紹介
オリンピック競技一覧

インタビューに答える大村選手1 インタビューに答える大村選手2 記念撮影