パラアスリートインタビュー 宇城 元(うじろ はじめ)選手

20 Questions & Answers

あなたの名前は?
宇城元です
出身地は?
兵庫県淡路島出身です
何の選手?
パラパワーリフティングの選手です。
はじめて出場したパラリンピックは?
アテネパラリンピックです。
その時の記録は?
男子67.5㎏級147.5㎏、8位入賞でした。
最も印象深い大会は?
ロンドンパラリンピックです。
自己ベストは?
男子75㎏級188㎏です。
競技をはじめて何年?
競技を始めてから18年になります。
始めたきっかけは?
車いすになったことで、雑誌でパラアスリートを見たことです。
試合前に必ずやることは?
顔を真っ赤にするとか、肩甲骨をねじこむとか、イメージを浮かべるとかそういうことをやります。
リフトする瞬間、何を考えている?
イメージ通り動かすことだけを考えています。
パワーリフティングの魅力を一言で言うと?
感情をあらわにできる、表現できるスポーツだと思います。
パワーリフティング以外の特技は?
力が強いところです。
あなたの勝負メシは?
バランス食です。
東京のイメージは?
夢を叶える場所
好きな言葉は?
平等
嫌いな言葉は?
上から目線
宇城元を一言でいうと?
面倒くさい奴
自国開催への期待は?
みんなが楽しんで喜んで達成して満足して帰ってもらえるような開催を期待します。
2020年、あなたは何してる?
パラリンピックに出場していると思います。
インタビューに応える宇城 元選手 インタビューに応える宇城 元選手

インタビュー

パランピック競技をあまり知らない人たちに向けて伝えたい、パラアスリートやパラパワーリフティングの魅力、観戦ポイントは何ですか?

パラスポーツは障がいに応じた持ち点によってクラス分けされているので、選手が平等である、ということが言えると思います。
パラパワーリフティングに関して言うと、例えば陸上のように数人で一斉に走る競技だと上位の選手にしか目がいかないと思いますが、パラパワーリフティングは個人で行う競技なので、試技をしている選手1人にスポットライトがあたる、という点もやっていて魅力だなと感じますね。
また、観戦のポイントとしては、選手が入場してから試技をして舞台を降りるまで時間があるので、選手が感情を表現できる時間も長いんですよね。入場の時点で感情は高ぶっていますし、試技を成功させた喜びや失敗した時の悔しさなど、感情の爆発も観ていて面白いと思います。

また、パラパワーリフティングは判定がとても厳しいんですよ。具体的には胸の上での正確な止め、傾かずに平行に挙げられているかなどですね。ですから、失敗と判断されるケースも多くて、これ以上失敗ができなくなった選手が追い込まれた時の表情もそうですし、ライバルがどういう記録を持ってくるかという順位争いが複雑に絡んでいるのを全体で俯瞰して観るのも面白いと思います。

宇城選手にとってライバルといえる存在はいますか?また、ライバルの存在はモチベーションにどのように影響していますか?

私は、パラリンピックにはアテネ2004大会とロンドン2012大会と飛び飛びで出場しているのですが、ロンドン2012大会の時はギリシャの選手に3キロ位の差で負けて私が7位、彼が6位だったんですよ。リオ2016大会の時も、彼と持ち記録が186キロで同じだったんですけど、彼の方が体重が軽かったこともあって、彼が出場できて私は出場できませんでした。ですから、そういった意味で彼がライバルと言えると思います。
また、最近は国内にパワーリフティング強化拠点ができて、若手の選手も育ってきているので彼らが近いうちにライバルになるかもしれないですし、もしかしたら追いつかれたり追い越されたりすることで喜びを感じるかもしれません。

先ほどのお話しの中で、ライバルがどんな記録を持ってくるかによって大きな影響があるとおっしゃっていました。戦略や駆け引きも大事になってくるかと思いますが?

私は、この競技は自分を冷静に分析することが一番大事だと思っています。当日の自分のコンディションを見極めて、1キロ単位で今日の自分は何キロ挙げられるのかという感覚が無いと勝負できないと思います。
確かに、ある程度の戦略や駆け引きも大事です。例えば、今言った話でいうと今日の自分は185キロしか挙げられないだろうということをわかった上で、あえて190キロを申請してライバルに揺さぶりをかけたりとかもします。ただ、ライバルばかり見ていると下の順位の選手に抜かれたりもするので全体を見渡さないといけないですよね。

日々の練習で記録・結果が出ない時もあると思いますが、どのように気持ちを切り替えていますか?

日々のトレーニングメニューはコーチが作ってくれているのですが、それを達成できないことがあって、どう整理していいかわからない時がありましたね。ただ、次の目標がすぐに課せられるので、今度は達成できるようにするぞ、と気持ちを切り替えるようにしています。また、自分が強くなるためには日々のトレーニングの工夫も大事だと思っています。インターバルや重量、それからスピードなどを変えながら、それを集計して、今自分がどんな状態なのかということを分析しながらトレーニングしています。

プレッシャーを感じることはないのですか?

性格的に一つのことに集中することが得意な方かもしれません。また、過去にヨーロッパ選手権という大きな大会で失敗したことがあって、その経験をすることでメンタルが強くなって、パラリンピックに出場した時に緊張しませんでした。自分でいうのも何ですが、メンタルについては最強なのではないかと思いますね。

東京2020大会に向けて準備を進めておられるかと思いますが、普段のトレーニングや大会までの準備方法などを教えてください。

私のコーチは日本にいない方で、3ヶ月に一度日本に来られた時にみてもらっています。ですから、直接指導を受けることが頻繁にはできないため、自分自身の修正能力が非常に重要になってきます。
東京2020パラリンピック競技大会まであと3年を切っていますが、そこはあまり意識しないで目の前の大会に注力するように日々のトレーニングを行っています。
簡単ではないとは思いますが、今の自分の記録より10キログラム多く上げることができれば景色も変わってくると思っているので、まずは、日々のトレーニングの中で目の前の1キログラム、2キログラム上げることを大事にしていきたいですね。

アテネ、ロンドンのパラリンピックをはじめとした様々な国際大会に出場し、食事や移動といった競技外の面でもいろいろな経験をお持ちかと思います。宇城選手が東京2020大会の運営面で期待することは何ですか?

移動と食事の面でよい環境を作っていただけるとすごくありがたいですね。
移動面でいうと、過去に競技会場と宿泊施設が同じ建物ということがありました(笑)
パラリンピックでこれはなかなか難しいと思いますが、競技会場まで30分以内で行けると気持ちがすごく楽になります。
食事については、これまでの大会だと開催国の料理が出されることが多かったので、ひいきしてほしいわけではないですが、東京2020大会では日本人に合う料理が出されるのではないかと期待しています。

それから、日本はあまり心配ないかもしれませんが、トイレの面でもお願いしたいことがあります。不衛生だと辛いのは当たり前なのですが、外国に行くと、たまに、便座が外国人仕様になっているからか、すごく高くて座れないことがあるんですよね。これも日本人だけに合わせる必要はないのかもしれませんが、みんなが座りやすいような仕様にしていただきたいと思います。

競技運営の面でいうと、アップのための台が、ロンドン2012大会の時は他の大会と比べ物にならないほど充実していたのがすごく良かったんですよね。大会によっては、世界大会でも、アップの台が少なくて台の取り合いになることがあるんです。パワーリフティングのアップは各選手で時間が割り当てられていて、入れ替わりアップをするんです。マナーの悪い国は自分の時間が終わってもアップの台からどいてくれない場合もあるんです。競技以外の面で選手が気を遣うっていうのは本当にストレスになるので、ここは本当にお願いしたいところです。

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